ガラス作りの道具たち

この記事では、F. [éf]のOriginal Vase "Sunrise"の魅力をもっと制作過程からお届けしたいと思い、「宙吹き」の技法を支えるガラス制作の道具をいくつかご紹介したいと思います。

なかなかガラスの製作過程や道具について紹介されていることが少ないため、今回Sunriseの製作者である内田悠介さんに特別にお写真と道具の説明をいただき、この記事にまとめさせていただきました。

1. Jack  (ジャック)

別の記事で「宙吹き」の技法についてご紹介しましたが、空中で吹いているのにどうやって花瓶の口の折り返しの形状を作るのだろう?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。筆者もそんな一人です。

このJackという道具がその形状を作るためのもので、主に口仕上げのためのもの。
この道具で、大きく広がった口のフォルムを成形しています。

長さは40cmほど。
使用するときはは右手に持ち、写真の状態だと手のひらを上、親指が外側になるようにして、道具の下からグリップ。
先端にミツロウをつけて使用し、道具を縦や横にしながら成形して行きます。

こんな細い道具で口を一周成形しているなんて驚きです。
綺麗に平坦になるように折り返して仕上げるのは、まさに職人技です。

 

2. 吹き竿

これは名前の通り、ガラスを吹くための竿です。
写真に写っている側が空気を吹き込むためのマウスピース側で、
反対側の先端にガラスを巻き取り、吹いていきます。

長さは約137cm。
ステンレス製で、中は空洞です。

こちらも、想像以上に細くて繊細な道具だと感じられる方も多いのではないでしょうか。
細く長くてメンテナンスが難しそうな道具ですが、これの先端にガラスが詰まっていたりすると使う時に綺麗にガラスが吹けないため、手入れが非常に重要です。

綺麗にメンテナンスつつ、使い込まれた感じも伝わってきて、職人さんの道具への想いが伝わってきます。

 

3. その他

左上は最初にご紹介したJackですが、
その他の4つは左からパス、Pincer (ピンサー)、Puffer (パファー)、Paddle (パドル)と呼ばれています。

パスは、大きさを測る道具。
コンパスのようにも見えますね。

Pincer (ピンサー)は、つまむための道具。
Tweezerとも呼ばれます。ピンセットみたいなものですね。

Puffer (パファー)は、吹き竿からガラスを切り離した後、
口仕上げの時など、息を吹きこむ場合に使用する道具だそうです。
コーン型の方と反対側の先端両方に小さい穴があり、そこに空気を吹き込んで細かい成形をしていきます。
ちなみにpufferは英語でフグという意味です。

Paddle (パドル)は、フラワーベースの底など、ガラスを平らにする時に使用する道具です。

また、写真にはありませんが、紙りんといって、
新聞紙を重ねて折り水分を含ませた道具もあります。
水をつけながら使用し、新聞紙が熱い水蒸気を出しながら燃えていきます。
これを手のひらに乗せ、熱く軟らかいガラスの形状を整えたり、全体のフォルムを整える時に使います。

 

いかがでしたでしょうか。
道具のご紹介を通して、よりガラスのことに興味をもっていただいたり、F. [éf]のOriginal Vaseに愛着を持っていただけると幸いです。

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